いとー録

備忘録的な発音で

成功の為になくてはならないもの

スタンフォード式 最高の睡眠』 / 西野精治

 

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まずはこの本を読む前と読んだ後で、自分の意識が大きく変わったのでそれを紹介します。

今まで「一日の約1/3は寝ている、要するに人生の1/3近くは寝ているのだから、睡眠は大切にしないといけない」

これはよく言われていることだし、同じように思っている人も多いと思います。

読み終わった後「人生の1/3の寝ている時間が残りの2/3の質も変えてしまうから大切にしないといけない」

 

この意識の改革がどのように起きたのか?

それを3つのQに答える形でシェアしていこうと思います。

 

Q. 睡眠はなぜ必要?なぜ大切?

「睡眠にしかできない働きがある」

人間の体には栄養をエネルギーに変えたり、排泄してサイクルを回したり、様々な仕組みが備わっている。その中でも、睡眠することでしかできない働きがあり、それは主に体のメンテナンスを担っている。

睡眠の5つのミッションというものがある。

これは睡眠の最中に脳と体で起きている、メンテナンスであり、これを知ることが睡眠の質を高めるスタートラインなのである。

①脳と体に休息を与える(優位性:交感神経→副交感神経)

②「記憶」を整理して定着させる

③「ホルモンバランス」を調整する

④「免疫力」を上げて病気を遠ざける

⑤「脳の老廃物」をとる(脳脊髄液ともにアルツハイマーの引き金にもなる老廃物を出す)

起きている時間、元気でいられるのは、睡眠中に我々の体の中でこのようなメンテナンスをしているからなのである。逆に言うと、質のいい睡眠をとれていなければ、これらのメンテナンスが十分に行われずに、日中のパフォーマンスにも悪い影響を与えてしまう。

このように覚醒(起きている時間のこと)は睡眠の影響を大きく受けるのである。それを実証した実験がある。

スタンフォードの男子バスケットボール選手を被験者とした研究。10人の選手に40日間、毎晩10時間ベッドに入ってもらい、折り返しのある80m走のタイム、フリースローの成功率を毎日記録した。最初の数日は変化がなかったが、2週間、3週間、4週間と経過するうちに80mのタイムは0.7秒縮まり、フリースローは0.9本、3ポイントは1.4本も多く入るようになった。本人たちの実感としても「すごく調子がいい」とのこと。しかし、実験が終了して元の睡眠時間に戻ると、記録も元に戻ってしまった。

このように、睡眠が覚醒時のパフォーマンスに大きく影響することがわかる。睡眠が集中力を上げ、ミスを減らすのであれば、ビジネスマンや学生にも同じことが言えるだろう。

しかし、毎日10時間も寝るのは現実的ではない上に、違う実験で40分の睡眠負債(理想の睡眠時間に足りていない時間)を解消するためには毎日14時間もベッドにいるのを3週間続けないといけないという結果も出ている。(この実験もかなり面白いものなので、ぜひ読んでみてもらいたい)要するに覚醒時のパフォーマンスを上げるために睡眠を量で調整することは現実的ではないということだ。では、どうするのか?

それは質を高める。そう、それがつまり、本の題名にもなっている「最高の睡眠」なのである。

 

Q. 最高の睡眠とは?

 ズバリ黄金の90分を作ること!

入眠後の90分の質を最大限に高めること、それが睡眠全体の質を高め、最高の睡眠を作ることができるとのこと。

人間は寝ている間、ノンレム睡眠(体は寝ているが脳は起きている状態)とノンレム睡眠(脳も体も寝ている状態)を周期的に繰り返している。

眠り始めてすぐにノンレム睡眠が始まり、約90分間続く。この初めのノンレム睡眠が最も深く、この深さこそが睡眠全体の質を大きく左右する。ここが浅いと全体が総崩れ、逆に言うと、はじめ良ければすべて良しなのである。

この90分を深くすることで、

①睡眠全体の質が上がる

②自律神経が整う ⇒ ストレス解消

③グロースホルモン(成長ホルモン)が多く分泌される ⇒ アンチエイジング

など様々なメリットがある。

では、どのようにすればこの90分を黄金にすることができるのでしょうか。

 

Q. どうすれば最高の睡眠は作れる?

キーポイントは「体温」と「脳」

まずは体温について。

人間が眠たくなるのは体の内部の温度(=深部体温)と皮膚温度の差が2℃以内になった時である。また、体温は大きく上げると大きく下がるという。

であるならば、寝る前にお風呂に入って、深部体温を上げることで、その後大きく下がり、入眠できるというわけだ。具体的には寝る90分前に40℃のお風呂に15分入ると良いとされている。そんなの時間的にできない!という人の為にもこの本の中ではほかにも体温調整する方法がいくつか紹介されているので、ぜひ読んでみて実践してもらいたい。

 

もう一つのスイッチ、脳について。

眠るというのはとても繊細なものである。環境が変わると刺激と感じてしまい、脳が活発化してしまう。いつもと違う部屋や宿で眠るときに寝つきが悪い経験がある人も多いと思う。

であるならば、毎日眠るときの環境はできるだけ同じにして、脳をできるだけ動かさないようにすることが良い睡眠につながるのである。よく、寝る前にスマホを触るとブルーライトを浴びて眠れなくなるという話がある。確かにブルーライトの影響もあるが、それ以上に、ゲームをしていたり、動画を見ていることで脳が活発化して眠れなくなるという方が実は原因としては大きいのである。

 

そして、良い睡眠をするためにもう一つとても大切な要素がある。

それは「良い覚醒をすること」

前述の通り、睡眠と覚醒は表裏一体なので、最高の睡眠をするためには最高の覚醒が必要なのである。逆もまた然り。

朝起きてからの行動習慣が最高の睡眠をつくり出し、最高の睡眠が最高のパフォーマンスとつくり出す 

 まさにこの一言に睡眠の大切さ、睡眠と覚醒の関係つまり、この本で伝えている内容が集約されていると感じた。

 

この他にも

・見たい夢は見れる?

・寝たいときに羊を数えるのは間違っている?

・寝てはいけないときに睡魔がやってきたときの有効な方法とは?

など、ウソホントや役立つ情報まで睡眠の様々な新知識がこの一冊で身に付けることができる。

 

自分の人生を大切にしたい人は必ず知っておくべきことは、成功するためのビジネス本やセミナーでなく、まずは睡眠を見直す。

これがすべての土台であると感じた。