いとー録

備忘録的な発音で

夢をかなえるのは、ちょっとの勇気

 『夢をかなえるゾウ3』  水野敬也

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水野敬也さんの本はお気に入りである。ストーリーが面白くてスイスイ読めるのに、学びもあり、読み終わった後の充実感がとてつもない。

今回で3作目である「夢をかなえるゾウシリーズ」は中でも好きな物語。コテコテの関西弁を話すインドの神様ガネーシャが主人公に課題を与えることで、彼らが成長していくサクセスストーリーである。今回も願望だけは一人前、でももう将来のことは占いに頼るしかないOLのもとにガネーシャが現れ、次々と課題を出していく。それをクリアしていくことで成長する彼女の姿は読者のやる気をも上げてくれる。さらに今回はシリーズ初のガネーシャの敵も現れ、新しい展開も待っている。

読み終わった後に、自分も頑張ろう!という気持ちになる。そして気持ちだけでなく、具体的に○○をやってみよう!と行動までもに変化が訪れる、そんな一冊です!

 

 

ここからは内容について触れていきます

ネタばれ注意!

 

この作品の中では実に21個の課題が出される。それを主人公のOLがクリアしていくことで、夢をかなえていくという物語である。自分なりにこれらの課題について、共通点を見つけることで、なぜ夢がかなえられるのかを考察してみた。

 

①”思考”ではなく”行動”

ほとんどの課題に共通するものとして、これをやってみようという具体的な”行動”についてのものである。この行動はもちろん、この行動をすることでこのような考え方ができる、こんなモチベーションでいられるという思考の部分も裏付けとしては存在する。しかし、与える課題としては具体的な行動に落とし込んであるものがほとんどである。

こうすることで、考える前にまず行動し、モチベーションや考え方は自ずと後からついてくる。啓発本でたまにあるのが、読み終わって、こんな考え方で明日から過ごそう!とモチベーションだけは上がるけど、実際に行動に移すことはないので、現実世界の変化はないし、数日たつと忘れてしまう。

この物語はまず先に行動させてしまうことで、とりあえず、現実の世界はどんどん変わっていくので、変化の実感が沸き、継続や発展につながるという効果があると考える。

また、できたかできなかったかという評価もわかりやすく行われる。

 

②ちょっとだけ頑張らないとできないこと

次の共通点として、出される課題はどれもちょっとだけ勇気がいるものであるということ。簡単にはできない、かといって絶対に出来ないかと言われるとそんなことはない、そんな絶妙なラインのものばかりだ。人間は放っておけば一番楽な状態でいようとする。それは変化によって痛みが生じるからだ。しかし、その一瞬の痛みを我慢すれば変わりたかった自分へ近づける。なんなら、変わってから、そんな痛みがあったなんてことは忘れるほどか、痛みがあるなんて勘違いであったことにさえ気づく。そんなちょっとの壁をガネーシャは挑発や餌釣り、でも実はきちんとした理詰めで越えさせてくれる。

そして後から意外と一つ一つの壁は高くなかったことに気づき、どんどん新しい課題に挑戦する勇気も手に入れていける。

 

③課題クリアによって結果が出るのはちょっと先

どれも即効性はない。でも確実に少し先の未来で少しの変化が訪れる。それを信じて、今を頑張る。それは自分のことと未来のことを信じていないとできないことだ。逆に言うとこの課題たちに向かっていくことで、自分に自信が持てたり、未来が明るくワクワクするものになっていく。実際に主人公が話す内容は不安から希望に少しずつ変化していっている。

 

これらの3つのことから課題をクリアしていく毎に現実世界が変わり、自信が出てきて、将来への希望が湧いてくる。これが最終的に夢をかなえる仕組みなのだと思う。

頭で理解してやるのももちろん大事だがそこに時間を使いすぎて結局やらないのであれば、意味はない。それだったらとりあえず体を動かしてみる方が絶対にいい。やっている間に結果がついてくるし、意味も分かってくる。

ここでもう一つ気づいたこと。とりあえず動いてみるというやり方をする場合たまに振り返って考えてみる時間と自分のやったことを記録しておくのはとても有効なことだと思った。

 

自分もガネーシャの教えから。これから実践していくこと3つ。

1.「目標を誰かに宣言する」

→毎月書いている目標を身近な人(恋人)に伝える。

 

2.「自分の仕事でお客さんとして感動できるところを見つける」

→自分が入りたいと思う会社を自分が客として利用したいのかを徹底的に調べる。スマホとか買うときに鬼リサーチするときのように。そして、その中でその会社の良さを客側から見つけ出す。

 

3.「欲しいものが手に入るストーリーを考えて、空想をふくらませる」

→日記でどう感じたかだけでなく、どんなことをしていきたいか、そしてそれを実際に行ったときにどんないいことが待っているのかをできるだけ具体的に書く日を週に2回は作る。

 

難しいことは置いておいて、とりあえず実行してみる。ちょっとめんどくさかったり時間とらないといけないことだからこそ、いままでの自分より基準は上がり、自分が変われる。ちょっとの勇気がもたらす有難い効果をこの一冊を通して十分に知ることができたのだから、あとはやるだけ。